孔子と孟子の思想:学問
子曰、吾嘗終日不食、終夜不寝、以思無益。不如學也。 子曰く、吾嘗(かつ)て終日食(く)らわず、終夜寝(い)ねず、以て思うも益無し。 学ぶに如(し)かざるなり。 先生の教え。 私はかつて、一日中食わず、終夜、寝ずに考えたことがあるが、無益であった。 [考えることは]学ぶことには及ばない。

子曰、吾十有五而志乎學、三十而立、四十而不惑、五十而知天命、六十而耳順、七十而從心所欲、不踰矩、
子の曰わく、吾れ十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順(した)がう。七十にして心の欲する所に従って矩(のり)を踰(こ)えず。
先生がいわれた、「私は十五歳で学問に志し、三十になって独立した立場を持ち、四十になってあれこれと迷わず、五十になって天命をわきまえ、六十になって 人のことばがすなおに聞かれ、七十になると思うままにふるまってそれで道をはずれないようになった」

孟子曰、「仁人心也。義人路也。舎其路而弗由、放其心而不知求。哀哉。人有鶏犬放、則知求之。有放心而不知求。学問之道無他。求其放心而已矣。」(告子上)

孟子曰はく、「仁は人の心なり。義は人の路なり。
其の路を舎てて、由らず。其の心を放ちて、求むるを知らず。 哀しいかな。人、けい犬の放たるること有らば、則はち、これを求むるを知る。放心有りて、而も求むることを知らず。 学問の道は他無し。其の放心を求むるのみ。」と。


孟子が言うことには、「他人を思いやる気持ちは人の心である。
正しい行いは人の道である。正しい行いを捨てて、道を歩まない。
その心(正しい行い)は求めることを知らない。哀しいことであるなあ。
人は飼っているにわとりや犬がいなかったならばその時は、このにわとりや犬を探すことを知っている。
仁をなくした心があれば、探すことを知らない。
だから学問で仁を学ぶのだ。そして自分のなくした心に仁を求めるだけである。」